いつのころからか耳にするようになった「気になる言葉」を、漫画家でコラムニストの辛酸なめ子さんが独特の切り口で読み解く夕刊「popstyle」の人気連載「辛酸なめ子のじわじわ時事ワード」。今回は
【ペンタゴンのUFO情報公式サイト(ぺんたごん・の・ゆーふぉー・じょうほう・こうしき・さいと)】
です。
このところ米国議会でUFOに関する公聴会が開かれるなど、時代の変化を感じていましたが、米国防総省(ペンタゴン)はついに、未確認空中現象(UAP)や未確認飛行物体(UFO)に関する公式サイトをオープンしました。
ペンタゴンの「全領域異常対策室(AARO)」のサイトを開いてみると、シンプルなデザインながら一番上に「米国政府の公式ウェブサイト」という表記が。ドメインは米軍を示す「.mil」。頻繁にアクセスしすぎると逆探知されそうな緊張感があります。サイトにはUAPの動画やレポートなどが掲載され、説明文中にある「機密情報」「
関連活動」「インテリジェンスコミュニティー」といった単語に、つい高揚してしまいます。
冒頭には、「UAPによる安全性に対する潜在的な脅威を軽減するため、重要な措置を講じてきました」という所長メッセージが。UFOというとSF的なイメージを抱いていましたが、米軍は冷静に脅威の一つと捉えているようです。下手に攻撃して宇宙戦争にならないことを祈ります。
飛行機などから撮影されたUAPの動画もサイトに掲載。民間航空機の可能性が高いと判定されたものもありますが、中にはUFOと思われる動きの動画も。いつか決定的な動画が出てくるのを期待したいです。
UAPの目撃例をまとめたリポートも見ることができます。それによると、典型的なUAPは全長1~4メートルの丸形で、白、シルバー、透明。出現する高度は1万~3万フィート(約3000~9000メートル)で、1万メートルあたりを飛んでいる旅客機よりも少し低いところに現れる傾向が。静止していたり、音速の2倍(マッハ2)の高速で移動したりします。1~4メートルというサイズ感からすると、乗組員はかなり小柄か無人偵察機なのでしょうか。
UAP目撃情報が多いホットスポットの世界地図もありました。米国の東西沿岸、中東、日本周辺での目撃が多い印象です。実は日本は、宇宙からのインバウンドにも人気が高かった……? それが景気回復につながるかは未知数ですが、国民の一人として光栄に思えてきます。
宇宙の?
米航空宇宙局(NASA)のジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が、宇宙空間に浮かぶ「?」マークを捉えました。なぜ宇宙が存在しているのか、永遠の謎を問いかけているようです。科学者によると、これは合体する二つの銀河で、私たちの天の川銀河もいずれアンドロメダ銀河と合体するとか。その時は、どんな図形が生まれるのでしょう。その頃には観測する人類も存在していないかもしれませんが……。
プロフィル
辛酸なめ子(しんさん・なめこ)
漫画家・コラムニスト、エッセイスト
1974年東京都生まれ、埼玉県育ち。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。人間関係から、恋愛、アイドル、皇室、セレブリティ、スピリチャルまで幅広いテーマで執筆。著書に「女子校育ち」「大人のコミュニケーション術 渡る世間は罠だらけ」「おしゃ修行」「魂活道場」「新・人間関係のルール」「女子校礼賛」「電車のおじさん」「辛酸なめ子の独断!流行大全」など。
popstyle(ポップスタイル)は、読売新聞夕刊で水曜日に掲載。尖った企画を大胆なレイアウトでお届けする新感覚カルチャー面です。夕刊発行地域以外でもご購入いただけます。購入方法はこちら。
Más historias